サービス業界インタビュー

株式会社一休

宿泊事業本部 営業企画部 営業推進チーム チームリーダー

平 玄太 氏

今、利用者が宿泊施設に求めていることとは?滞在の形の多様化

宿泊施設のトレンド、利用者の選び方にどのような変化がありますか?

もともと一休は、ホテルや旅館の中での「滞在」自体を楽しむことを重視されているお客様が多かったため、高級ホテル・旅館やリゾートホテルのご紹介が多かったのですが、最近は「滞在の形」が多様化しているような印象を持っています。
たとえば、大きな古民家を改装した施設でサービススタッフも多くはいないようなところで滞在されたり、一棟丸々別荘を借りて料理も全て自分でするなど、昔だったらあまり考えられなかったような滞在の形が受け入れられています。
こういったニーズの高まりに対応した一休の「バケーションレンタル」というサービスに登録する施設様も増えてきました。サービスをスタートしたときは、“スタッフが少ない、料理がない、という施設で大丈夫か?”という懸念も一部ありましたが、実際に滞在したお客様の声を聴いてみると満足度が高い。
施設の方も、既存の宿泊の枠にとらわれないところが増えています。かつては“フルサービス型”や“宿泊特化型”などに限られましたが、今は宿泊特化だが内装がおしゃれなライフスタイル型ですとか、内装は豪勢だけれどもサービスは極力抑えたリーズナブルな施設など、スタイルが広がっています。

一休.comはどのような嗜好を持った方が利用されているのでしょうか?

利用される世代としては40代を中心に、30代~60代の方に広がりますが、宿泊すること自体へのこだわりがある方たちと思います。例を挙げると、朝食のパンの美味しさ、エントランスからの動線など、とても細やかなところに目を向けられています。

施設側のプランの工夫等はあるのでしょうか。

かつてはプランの多さが支持されていました。今はそれよりも、その宿泊施設の特色が出ているプランや、紹介ページがあることを重視されているように思います。
一泊10万円位の高額な買い物ですので皆さん慎重に選ばれていて、スマホで情報収集してから、PCの方で大きな画面を見ながら予約される傾向が高いです。たとえば部屋から見える風景や季節の料理などその宿ならではの魅力を、大きな写真画像等も活かしながらページで紹介するようなサイトづくりをしています。

自然や体験を活かした“グランピング”施設の人気の高まりについてどのようにご覧になっていますか?

当初アウトドアに進出する予定はなかったものの、一休では「上質な宿泊体験を提供する」「お客さんがハッピーになるか」という観点で、それが叶う場所としてグランピング施設を前向きにご紹介しています。今はおよそ20施設ほどです。
“グランピング”と一口にいっても、ホテルをベースにキャンプ要素を加えたもの、非常に豪華なキャンプ場型のもの、サービスもハードも高級ホテル並みのものをそろえているところなど、様々な形があります。
お客様の声を聴く機会があるのですが、小さなお子さんのいる家族で楽しむ場所も、かつてはワイワイと楽しむレジャー施設一択であったところ、グランピングもまた、潜在的なニーズに応えられる場所として選ばれるようになってきました。
選択肢の幅が広がると同時に、利用される方の数と満足度も高まっているように感じます。

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