インタビュー
株式会社八芳園
企画セクション 室長
高橋 直樹 氏

生産者に寄り添い、扱う食材、商品へ付加価値を―
商材の背景にあるストーリーをお聞かせください
展示会来場に関してのお立場と役割を教えてください。
購買に携わっていた時は、調理場に新商品や、変わった商材を取り入れるために参加していました。弊社は生産者に特化した商材が多いので、展示会場で直接生産者にストーリーをお聞きしていました。
現在の私は企画の立場から農園や各生産者のところへ出向いたり、社内に学びを伝えたりしています。白金台5丁目プラチナ通りにあります、オーガニックライフ・レストラン「ANNIVERSARY GARDEN 」では、毎週木曜日に生産者を招いて食材における学びのセミナーを開催しています。
八芳園の特徴と取り組みについて、主に購買の視点からお聞かせください。
八芳園では、Farm to Tableというコンセプトで「Thrush Cafe」というレストランを運営しています。これまでは築地で買い付けを行っていましたが、生産者に寄り添い、扱う食材、商品へ付加価値を付けていこうと、国分寺の小坂農園をメインに取り扱うようになりました。産直品の取り扱いは、今でこそ様々なレストランでも多く見かけるようになりましたが、その中でも弊社は先駆けであったと思います。実際、弊社のスタッフが農園に出向き、農作業のお手伝いも取り扱い当時からさせて頂いています。
最近は日本でも、ベジタリアンやヴィーガン、ハラル食など、食文化の多様性を実感する機会が増えました。ですが、対応出来ている飲食店はそう多くありません。また、アレルギー対応も飲食店の課題です。弊社での結婚披露宴でアレルギー対応食を提供したお客様は、大人は約4.0%(10万131人中4067人)、お子様では6.3%(3250人中206人)にのぼります(2016年10月~2017年9月、八芳園調べ)。弊社は結婚式から始まるご夫婦・ご家族の人生を生涯にわたりサポートする「生涯式場」をコンセプトに、特に食に力を入れています。皆で一つになり祝う場で、料理に違いがあってはならない。そこで7 大アレルゲン(乳・卵・小麦・そば・落花生・エビ・カニ)を除いた婚礼料理も今年2月からスタートし、皆様で同じ料理をお召し上がり頂けるようになりました。
この展示会に来場することを決める前に業務上でどんな課題を感じていましたか?
自然栽培においては、栽培農家も少なく、収穫量を確保することは難しいことでもあります。そこで、収穫量の多い時には長期保存可能なレトルトのスープを作り、冷凍でストックしたい。それを実現できる企業とのマッチングを模索していました。もちろん、自然栽培(農薬や肥料に頼らない)農家とのマッチングも同様です。
この展示会とネクストマッチング商談会を知ったきっかけは?
当社の代表取締役が国際ホテル・レストラン・ショーの企画委員に参加しているため、第一回(2016年2月)ネクストマッチング商談会から参加しています。
この展示会を知って来場する/ネクストマッチング商談会に参加するまでに何か躊躇すること、障害となることはありましたか?また、それをどのように解消しましたか?
特に躊躇することや障害はありませんでした。事前アポイント制の商談会で、受付の方が順番に出展者の方を呼んでくださったので、とてもスムーズでした。最初はスケジュールを詰めすぎて商談で一日が終わってしまい会場が見られなかったという反省がありましたので、翌年からはスケジュールに余裕を持たせるようにしました。
来場(を決定)する際の最後の決め手はなにでしたか?
こちらの想像を超える視点で生み出され、作られたものと出会えることが魅力です。出展物だけでなく、直接お話しできるのも展示会の強みです。新しい商材と出会い、新商品の発想にもつながります。出展者様とフラットな立場で様々なお話を聞かせて頂きながら、「実はこういうものもあるんです、○○さんだけに見せますね」と言われると嬉しいですし、リアルな現場のお話は自身にとって大変勉強になります。
実際に来場/ネクストマッチング商談会に参加してみてどうでしたか?(なにが役にたっていますか?メリットは何でしたか?)
JAS有機栽培の商材、ハラル対応の商材でお取引に繋がったことがあります。また、レトルト商材、瓶詰め商品のPB商品化で、ご協力頂いている最中でもあります。
今後、この展示会に来場しようと考えている方へのメッセージ
しっかりと商材を作り、準備をしてくださっている出展者の方が多いので、是非その方々の想いを聞いてください。商材の背景にどういったストーリーがあるのか、なぜ出展しようと思ったのか、お互いの想いに耳を傾けることでミスマッチングを防ぎ、より一層深い部分でのマッチングが図れるものと思います。