コラム

「外食産業最前線」

居酒屋ならではのつまみ料理もテイクアウトで好評を博す! 炭火はじめ#3

コロナ禍の営業自粛中、新たに始めたランチの弁当販売で、多い日には100個近くも売れる成功を収めた神奈川・橋本の居酒屋「炭火はじめ」。同店は営業自粛中、「つまみもテイクアウトしたい」という利用客の声をきっかけに、ゴールデンウイークくらいからは、つまみ料理のテイクアウト販売も開始して好評を博した。居酒屋ならではの料理が、「家飲みのつまみ」として、「お家ごはんのおかず」として重宝されたのである。

中でもよく売れたのが「揚げ物」。確かに今は、家で揚げ物を作らない主婦が多いと言われる。油汚れが気になる、油の始末が面倒…といった理由から家庭の調理で揚げ物が敬遠される傾向があり、逆に言えば、中食マーケットでは揚げ物が有望になっている。「炭火はじめ」では、「ゴボウチップス」「ヤゲン軟骨の唐揚げ」「とうもろこしの唐揚げ」…等々、コンビニでは売られていない居酒屋ならではの揚げ物も積極的にテイクアウトで販売し、中食の揚げ物ニーズを開拓した。

「初めてのテイクアウト販売だったので、慣れないことばかりでしたが、続けていくうちに少しずつノウハウが蓄積されました」と話す岡田昌也店長。その岡田店長によれば、基本的にテイクアウトでは、あらかじめ商品を並べておいた方が、売れ数が伸びるという。ただし、あらかじめ商品を並べると、売れなかった場合はロスになる。「炭火はじめ」では、売れ行きに合わせて作る量を加減しながら、店頭に並べる形でテイクアウト商品を販売。同時に、事前の予約で取りに来てもらう時間を決めてもらい、作り立ての料理を持ち帰ってもらうこともできるようにした。

さらに、営業自粛期間だけでなく、営業再開後もテイクアウト販売を続けることを見据えて、商品を陳列できる保温庫を新たに購入。保温庫によって、作り置きの揚げ物なども、できる限り温かい状態を維持できるようにした。加えて「炭火はじめ」では、営業自粛期間の途中から、テイクアウトで買った商品を、そのまま店内の客席で食べることができるようにした。お祭りの時に、出店(でみせ)で買ったものを食べる「休憩室」のような感覚だ。営業自粛で使っていない客席を、少しでも有効に活用するためのアイデアで、実際、テイクアウト商品をつまみにお酒を注文してくれる利用客もいたという。

また、「炭火はじめ」では、こだわりのレモンサワーの「ベース」もテイクアウトで販売。「ベース」に炭酸を合わせれば、家でも同店のレモンサワーを楽しめるようにしたところ、常連のファンが購入してくれたという。さらに、「ウーバーイーツ」によるデリバリー販売も6月からスタート。テイクアウトの容器を、そのままデリバリーにも活用するなど、テイクアウトのノウハウが、デリバリーにも生かされている。

炭火はじめ
神奈川県相模原市緑区橋本3-13
パークスクウェア1F

この記事を書いた人

Hitoshi Kametaka
亀高 斉

1992年に㈱旭屋出版に入社し、1997年に飲食店経営専門誌の「月刊近代食堂」編集長に就任。以来17年間、「近代食堂」編集長を務め、中小飲食店から大手企業まで数多くの繁盛店やヒットメニューを取材。2016年に独立し、フリーの企画・編集・ライターとして活動。

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