コラム

東京都港区白金台で結婚式場等を運営する株式会社八芳園は、2020年8月、本館からほど近いプラチナ通り沿いに同社がこれまで手掛けてきた結婚式やコンベンションで培ったノウハウを活かしたポップアップ型イベントスペース「MuSuBu」をオープンさせた。
このイベントスペースが目指すもの、設立の意図について同社代表取締役 長谷晴義氏の談話を交えてご紹介する。

ンライン・オフラインの双方のコンテンツの融和により情報を発信

『MuSuBu』のイベントスペースには調理デモを行えるオープンキッチンを備えており、地域の食材を用いてのデモンストレーションを行うことが可能である。
運営をバックアップするのは、八芳園でイベントやプランニング、照明、撮影等の専門業務に携わってきたエキスパートが、調理は同社所属のシェフがコネクティッドシェフとして名を連ねており、食に関わるイベントやセミナーを総合的にバックアップする。
プロフェッショナルの手で各地の産品を手間をかけて調理を行い、優れた魅力を最高のカタチでPRし発信することが可能である。

「計画自体は2018年から進めてきましたが、具体的に工事を開始した直後に新型コロナの影響で当初計画していたイベント等が出来なくなるという事態となりました。
緊急事態宣言解除以降は、今出来ることから少しずつやって行こう、と考え、オンラインを活用したセミナーやイベント、カンファレンスの提供を行ったり、夏休みのイベントとして親子でのパン作り教室等のオンラインとリアルを融合したハイブリッド型のイベント等も開催してきました。」(長谷氏)

地域へ人とモノを動かすために今後取り組む課題とは

地方自治体や各地域のJAなどが独自にアンテナショップやイベントスペースなどで開催されるイベントについては、なかなか広く情報が広く伝わらないというケースが多々あると言う。また知ってはいても、そこまで足を運ばないというケースも多い。

「『MuSuBu』においてオンラインを併用した形で、八芳園シェフが地方の生産者と密接にコネクト(つながり)し、新しい料理を開発、調理デモを行うなどワンランク上の内容をプロデュースし、それをリアルタイムで発信することで今までとはまた違った形で周知とPRが行えるのではないかと思います。
特に、都心部でオープンキッチンを備えたイベントスペースはあまり無いので、今後それらの需要も含めて発展していくことを期待しています。」(長谷氏)

最後に、今後の生産地の活性化に向けた同社の取り組みとMuSuBuの果たす役割と課題について伺ってみた。

当社は地方のすぐれた産品を取り扱っているので、結婚式の料理や引き出物についても新郎新婦さんの想いや地域性が伝わるものをご提案して行きたいと思っています。
例えば地域の産品や農産物を料理で使用するなど、それぞれの地域に関わりがあるものを使う、岩手のご出身であれば南部鉄器、その地域産の湯呑みやガラス食器といったように、こちらから積極的にご提案することで、出席されたお客様にそれぞれの地域の良さが伝わればと思います。
また今後はECや物販、コロナ禍で需要が増えた食のデリバリーにおいても当社のシェフが各地のオーガニック野菜や無農薬野菜を用いてレシピを作り、お食事セットという形で販売させて頂くなど、ワンランク上の商品をご提供して地域との関わりを発信していきたいと思います。
特に、新型コロナの影響で人の出足が鈍化する中で「マイクロツーリズム」という言葉で表されるように近いエリアで地元や隣接商圏が連携して経済を活性化していく必要もあると思います。そこを上手に融合させて『MuSuBu』を拠点として情報発信をプロデュースすることで各地域の経済が回るようにしていくことを今後の課題として取り組んでまいります。」(長谷氏)

株式会社八芳園
代表取締役社長
長谷 晴義

この記事を書いた人

藤原 悟

大手厨房設備機器メーカーの広報・宣伝部門等で28年間勤務した後、独立。
業界紙等への執筆や各種販促ツール等の企画・制作等、多岐にわたって活動中。

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