コラム

「サステナブル」がテーマの注目業態「KOMEDA is □」#1

「無理なく手軽に地球に寄り添うことができる」を提案!

持続可能な社会の在り方を意味する「サステナブル」や、持続可能な開発目標の略称「SDGs」(Sustainable Development Goals)が、ますます重要なキーワードになっている。業種を問わず、「いかにして、環境に配慮した取り組みを経済活動に取り入れていくか」が、現代の大きなテーマになっている。
そうした中、外食産業でも「サステナブル」をテーマにした注目店が登場した。㈱コメダ (本社:愛知県、代表取締役社長:臼井興胤氏)が、「サステナブルな社会のために、環境に配慮した新業態」として出店した「KOMEDA is □(コメダイズ)」だ。7月15日、東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線の東銀座駅から徒歩2分のビルの1階フロアにオープンした。

コメダは全国に「コメダ珈琲店」を展開(2020年6月末時点で897店舗)。美味しいコーヒーと落ち着ける空間で、日々の生活に「くつろぎ」を提供することをモットーしてきた。そのコメダが、「地球とくつろぐ」ことを目指してつくったのが、「プラントベース喫茶店」の「KOMEDA is □」。環境負荷の少ない「プラントベース(植物由来)」という食スタイルを、美味しさと食べごたえにこだわるコメダらしいメニューに仕立て、「いつものくつろぎ」とともに提供する。

コメダは50周年を迎えた2018年、「KOMEDA COMES TRUE.」を合言葉とした「心にもっとくつろぎを」プロジェクトをスタート。生産農家に配慮したコーヒー豆の調達、こども食堂と協力した食品ロスの軽減、店舗のソーラーパネル設置によるCO2削減…等々、サステナブルな社会の実現を目指す様々な活動を行ってきた。その新たな取り組みとして誕生したのが、プラントベース喫茶の「KOMEDA is □」だ。同店のニュースリリースには、臼井社長の以下のメッセージが記されている。

「還暦を過ぎても365日肉を食べ続けてきた私の食生活が、温暖化や異常気象を含む地球規模の環境破壊に繋がっていることを知ってから、肉を休む日があっても良いのでは?と考えるようになりました。コメダは50周年を契機に、持続可能な世界を目指す“心にもっとくつろぎを”というプロジェクトを始めました。お客様と同じ方向を見ながら一緒に、いつまでも、どこまでも〈くつろぐ、いちばんいいところ〉を実現していきたいと思っています。そのために、くつろぎながら〈肉を休む日〉を楽しんでいただけるお店を作りました。たまには、お肉を離れて100%植物由来のメニューでくつろいでみませんか? 皆様のご来店、心からお待ち申し上げます」

同リリースによれば、地球温暖化の大きな原因のひとつは家畜だと言われており、例えば、飼育する牛1頭は1日に温室効果ガスの主要因であるメタンガスを160~320リットルも出す。また、食肉1㎏を生産するためには数倍~数十倍の穀物が必要であり、水・牧草地も大量に消費することから、畜産による水質汚濁や森林破壊も大きな問題となっている。
そこで、いつもの日常の中でくつろぎを提供しているコメダが、プラントベース喫茶の「KOMEDA is □」で提案するのが「お肉を休む日を、つくろう」。「毎日じゃなくても、週に一度や月に一度だけでも動物由来の食品を控えてみる。朝、出勤前のモーニングで。昼のランチや、午後にひと息つくときに。または、夜にアルコールを嗜みながら。いつもの日常の中で、好きなときに、好きなペースで、『KOMEDA is □』の美味しいプラントベースを楽しむことで、無理なく手軽に地球に寄り添うことができる」という提案だ。
この提案は、非常に興味深いものだと言える。「サステナブル」をもっと広く定着させていくには、この提案にある「無理なく手軽に」ということが重要だからだ。「無理なく手軽に」であれば、いわゆる意識の高い人だけでなく、誰もが身近に「サステナブル」を感じ、実践することができる。それによって「サステナブル」が、より一般化していく。コメダの新業態「KOMEDA is □」は、まさにそうしたアプローチを行っている注目店だ。

KOMEDA is □ 東銀座店(コメダイズ ヒガシギンザテン)

住所:東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア1階
席数:68席
定休日:年中無休 ※年末年始は異なる場合あり
営業時間:7時~23時(ラストオーダー22時30分)
※モーニングサービスは7~11時/アルコール提供は11時~23時
HP:http://komeda-is.com

この記事を書いた人

Hitoshi Kametaka
亀高 斉

1992年に(株)旭屋出版に入社し、1997年に飲食店経営専門誌の「月刊近代食堂」編集長に就任。以来17年間、「近代食堂」編集長を務め、中小飲食店から大手企業まで数多くの繁盛店やヒットメニューを取材。2016年に独立し、フリーの企画・編集・ライターとして活動。

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